涂さんの二胡に惚れ込んだ楊さんは去年、3本の二胡製作をお願いしていたようです。
楊さんはその最後の二胡のピックアップも今回の目的。
私も馬頭にするかこれにするか迷ったのですが、その迷ったほうのタイプを依頼されていました。
2本あり、ウロコの大きいものと小さいもの2本が用意されていましたが、大きいほうはすごく直線的な音。小さいほうは少しまろやかな割りには音量が大きい。
見栄えは当然大きいほうが良いのですが、一般的に言われている「ウロコが四角く大きいのが良い。」という考えが覆されるのを前回同様感じました。
今回初めての張さんも居られたので、二胡に関する話を熱く語ってくれました。
その涂さんの後ろにはこの2ヶ月ほどで製作された二胡を中心に何本もぶら下がっていました。
涂さんのネットにある楽器には製造番号のシールが貼ってあり、その楽器もありました。
ネット上での販売の際に間違えないためだと思いますが、番号の意味を聞いたら、2008年は二胡を作ろうとした2000年から8年目なので、1がA、2がB・・・8はH。 1月がA、2月がB・・・8月はH、ということで、先頭HGは2008年7月製造ということらしいです。
・・・ということは私の馬頭はHFxxxですね。
一通り二胡の話題が終わり(ほとんど台湾語なので、全然わかりませんでしたが)、3階(実際は屋上を改造)を見学させてもらいました。
階段を上ると入り口の左には・・・・肉屋ではありません。
工房の床一面、紅木をけずった粉で赤茶色になっています。
棚には加工途中の半製品や部材が置いてあります。
電動工具が何種類もあり、ヤスリの種類も数え切れないほど。
壁にはCADで書かれたような型紙がはってあったりします。
琴軸(糸巻き)にある骨を固定するための突起を作った時の端材なんかもあります。
この様子を見ると、全パーツを一人で作られているというのが良くわかります。
楊さんが「琴馬(駒)を作ってみたいので、少し端材を分けてくれませんか?」と聞くと、「いろんな素材があるよ」といわれて、製作途中のものでしょうか、「もって行っていいよ。」とのこと。
琴軸を作るために切ったものの、材質が悪くて使えなかったモノや、固定千金のモトみたいなのをいくつか頂きました。
おまけにデンペンって張り替えるときにどんな接着剤を使ったらいいの?って聞くと、接着剤まで頂きました。
ありがたいですが、買うときに困るんですよね、同じものを探すのが。(笑)
固定千金のようにご自身が売る二胡にはついていないモノもあり、他から委託があったのかは判りませんが、一人でいろんな物を作られているのが判りました。
いろんな正部品やら途中までやってボツになったものとかがあちこちに置いてあるのですが、馬頭とそこに着けるためのタテガミの骨の原型もありました。
いやはやなんとも・・・・スゴイです。
楊さん曰く、「涂さんは、製作者というより、芸術家ですなぁ。」
- 2008/08/31(日) 09:53:28|
- 二胡・楽器について
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